Uni-ya

~うに家~Drop at our house if you happen to come this way.

ダライ・ラマ法王の講演に行ってきた ~ I'm a citizen of the world

本日、会社を休んで、ダライ・ラマ法王のお話を聞きに行ってきました。

 

写真はgetteyimagsさんより

http://www.gettyimages.co.jp/

 

コチラの企画です⇒

www.sapporo-jc.or.jp

 

北海道にいらっしゃるのはですし、御年齢を考えたら、最後になるやもしれません。

そりゃ会社休んで行くでしょう。

年度末決算真っ只中、誰しもが目を吊り上げて必死になってる最中ですが、行くでしょう。

 

私自身は仏教徒ってわけじゃありませんし、法王に心酔してるわけでもありません。

ただ、世界的に、その行いと、そのお考えと、で有名になっている方に直接対面する機会なんてそうそうありません。

有名人は世の中にたっくさんいますけど、世界の有名人から「尊敬されている人」は、少ないと思います。

法王はその御一人です。

そんな雲上人に会えちゃうわけですよ!

生法王ですよ!

そりゃぁ、行くでしょう。

 

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お分かりになりますでしょうか?

金属探知機が4機です。

ものものしい警備です。

 

そもそも会場内には財布と携帯電話のような貴重品しか持ち込めませんでした。カバンはアウトです。そうした後での ↑ 金属探知機ですよ。

重要人物に会う感がいやがおうにも盛り上がります。

 

金属探知機の前段階、講演会場入場前の最初の関門のカバンをクロークに預ける儀の列がスゴかったです。

何がって、『誘導』という名前の札を胸からぶら下げて、列を遅滞なく"誘導"させてる男性達が全然サラリーマン臭がしないんですよ。

体格はフツウなんですよ。

でも、姿勢がハンパなく良くて、目つきの鋭いことといったらなかったです。

あそこで、「ぅっきゃぁーーーー!」とか言う叫び声をあげて、会場に向かって走りだしてたら、間違いなく射殺されてたと思います。

いや、日本だし、射殺はないですね。

でも、秒殺されてたのは間違いないです。

 

で、オモシロイのが、会が終わった後、会場付近に誘導メンズがウロウロしてたんですが、その時は、もうまるっきりドフツーーーのサラリーマンだったんですよ。

寛いだ雰囲気で仲間とくだらない話をしてたりして。

彼らはいったい何者だったんでしょうか?

 

そうした中でお会いした生法王、生き仏、仏教界の最高権威(たぶん)

ダライ・ラマ法王14世

もう、めっちゃ気さくな爺ちゃんでした。

ニコニコしてて、冗談好きで、でも、真剣に、情熱的にお話ししてくださいました。

お話は全て英語だったんですが、私達に分かるように、なのか、もしかして法王が英語はあまりお得意ではないのか、簡単な単語と文法を使ってくださったので、予想してた以上にお話を直接理解できました。

側に座ってたご夫婦も「(お話が)分かるね」と言ってました。

 

 

前回の記事で書いた「特性」のテストにより、 

 

uni-ya.hatenablog.com

私は「聞く」能力が著しく、顕著に、低い、という事が分かったので、今回はメモ帳を会場に持ち込んでみました。(今までしたことないけど)

 

それを今、パラパラとめくってみますと、、、、

すっぱりと忘れてる(笑)

聞いてた瞬間、瞬間に、心を動かされた言葉たち、今、メモ帳を見るまではすっかり忘れてました。

いや~~、、、特性を知って、それに対応するのって、大事ですね。

 

僭越ながら、お言葉の中から私のフィルターにひっかかったモノをいくつか紹介させていただきます。

世界中の人は"same"だ、という事を何度も何度もおっしゃってました。

男性、女性、国、地域、立場、生まれ、宗教、何も関係ない、私達は全て同じ人間なのだ、と、繰り返してました。それはテロリストだって同じだ、と。

しかし、「宗教の違い」のようなことで争いがおこってしまっていて、それは本当に悲しいことで、それらを回避するために必要なのは、教育だ、という事も繰り返してました。

新鮮だったのは、この「教育」というのは、数学や科学ということではなく、他者を思いやる心、他者を敬う気持ち、尊重する気持ちを育てる教育、だそうです。

本の学校にある「道徳」の授業に近いかな、って思いました。

 

「私達は何のために生きるのか?」という質問に対しては、

「私は『幸せになることが人生の目的』だと信じてる」と、そして、「それは『希望』がベースだ」と。

 

"anger"と、"fear" も何度も繰り返しておられました。

これは、最も避けなければならない感情だというのです。

私達の心と体を蝕み、友人を遠ざける、この悪い感情を長期で持つのはやめなさい、と熱っぽくおっしゃってました。

 

あぁ、こうしてメモを見ていても、もっとたくさん良い事をおっしゃってたのにどうして書いてないのか?と己の記憶力の過信っぷりを呪いたいです。

 

私達は"same"だと繰り返しておられた法王ですが、茶目っけたっぷりに笑いながら、「いや世界中の人は皆同じ言うたけどね、世界中にダライ・ラマはワシ一人しかおらんからね、ワシが死ぬまではね(笑)」 ←何故か関西弁のイメージ

と、おっしゃって笑いをとってました。

 

今日、ほんの数時間だけお話を聞いただけですが、法王は、とても、とても、頭の良い方なんだ、とお見受けしました。

お人柄も立派ですし、たぶん、法王になっていなくても、普通の人では終わらなかったでしょう。

 

今日の講演会でおっしゃってました。

法王が初めてヨーロッパに行かれたとき、取材で「どうして世界に出るのか?」と聞かれて、"I'm a citizen of world"「私は世界市民だから」と答えられたそうです。

 

法王の生い立ちを知ると、「運命」という言葉がまず思い浮かびます。

運命というものが本当にあるのかどうかは分かりませんが、たぶん、何かそれっぽいものがあるんじゃないかな?と私は感じてます。

 

 

 

最後に、法王様でも腹がたつことがあるというエピソードを、

以前、ニューヨークに滞在していたとき、NYタイムスの記者に「ダライ・ラマ法王として、更なるlegend(伝説)を望むか?」と聞かれ、「いや、いや、私は人生を意味深いものにしたいだけで、私個人の栄誉は望まない」と答えられた。

そして別の質問があったあと、また、同じ「legend欲しいよね?」に対し、「いや、いや、そんなものは必要ない」と答えられた。

その後、また、違う質問があり、そして、また、「といってもlegendですよね?」と質問され、今度はキレたらしい。

しかし、その1年後、同じ記者にまた会ったとき、二人で「いや~あんときはね~」と笑いあったとか。

 

 

講演会の最後に、法王様に花束とアイヌ織のプレゼントが渡され、そのお返しに法王様が直々にプレゼンターに白いスカーフを授けられました。

ブータンに旅行したときに知ったんですが、このカムニと呼ばれる白いスカーフを聖職者から頂戴することは、とてもとても栄誉な事だそうです。

舞台袖で司会進行をしていた女性をも舞台に呼ばれ、カムニを授けられてました。司会の女性の驚きと感動の表情にこちらまでホロリときてしまいました。

 

 

本当にステキなお方でした。

 

法王様、どうか長生きしてください。

 

 

では。