Uni-ya

~うに家~Drop at our house if you happen to come this way.

大きなクッキー

あの人は言った

 

「人生は大きなクッキーだと思う」

 

おぎゃぁ、と生まれてきたときに

その人に合わせた大きさのクッキーを神さまが与えてくれる

おっきな、大っきなクッキーだ

 

みんなその大きなクッキーの上に乗って生活を始める

 

しっかりと固くて、でも、柔らかくホロリとくずれて

 

はじっこなんて見えないくらい大きなクッキー

 

 

クッキーの周りには

いつもお腹を空かせた妖精がいて

クッキーの端をかじっていく

毎日、毎日、毎分、毎分、毎秒、毎秒、

休むことなくかじっていく

 

カリカカリカカリカリカリ

 

甘いチョコチャンクの山をのぼったり

ほろ酸っぱいオレンジビールのハードルをとんだり

むにゅむにゅした芳醇なレーズンの沼をわたったり

 

そうしてる間にも妖精はクッキーをかじっている

 

カリカカリカカリカリカリ

 

どんどんクッキーは小さくなっていく

 

 

 

気づいたら

 

いっぱい遊んで疲れた夏の午後、

お昼寝をする私を

優しく包んでくれた甘い香りのココナッツの林や

 

情けない気持ちでいっぱいで

泣きたくなっている私を

そのままただ受けとめてくれたシナモンの砂浜が

 

もう、無くなっている

 

 

クッキーは小さくなっている

 

どんどん小さくなっていく

 

 

もう少ししたら

クッキーの端が見えてくるかもしれない

 

 

その前に、

ずっと気になっていた、あそこのアーモンドの谷に行っておこう

美しいと噂に聞く谷を見ておこう

思い切ってあの人を誘おう

あの人と一緒に行こう

きっと素晴らしい旅になるはずだ

 

 

 

カリカカリカカリカ

 

妖精は今日もかじっている

 

 

 

妖精が

最後の一口をかじるとき

なんて挨拶をしようか

 

 

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あまりに直球ド真ん中過ぎる言葉がドカンと書かれているマグを買ってしまいました。

店頭でちょっと躊躇しました。

いろんな言葉があるのに、その中から"HAPPY"を選ぶ人って、イタくない?

私、「幸福渇望中」とかって顔に書いてない?大丈夫?

って、あやうく店員さんに聞くとこでした。

聞かなかったけど。

 

背の小さなかわいらしい店員さんは「大丈夫、考え過ぎですって」って顔をしてニッコリ笑って、「ご自宅用ですか?」と言い、

私は「あぁ良かった。そうですね自分で勝手に変な事考え過ぎですね」という顔でニッコリして、「はい、カードでお願いします」と言いました。

 

 

 

HAPPYな週末を

 

 

では☆