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Uni-ya

~うに家~Drop at our house if you happen to come this way.

才能という名の黄金郷

本田健さんの『自分の才能の見つけ方』を読みました

 

図解 自分の才能の見つけ方

図解 自分の才能の見つけ方

 

 読んで一週間ほどたちますが、内容はキレイすっぱり忘れてしまいました。

といってもそれは「つまらなかった」からではなく、「うん、だよね。知ってた」という内容だったからだと思います。

この本、タイトルが少しデカ過ぎるような気がします。

なんだかスゴイことが書かれているような、そんな気がしてしまいますが、実際のところ副題の「才能は、あなたの感情に隠されている」、この一言に集約されてしまいます。

「才能は頭で考えて探しても絶対見つからない。ワクワクすることをやってるうちに気づくものだよ」

と、いうことなんですね。

そして、その才能を使ってその道のプロ、例えば司会者とか歌手とか、そういう特別な職業に就かなくても、普通の会社員や商店主や、そういう立場でも才能を活かすことはできるよ、と言ってます。

 

私はこの『才能』という言葉に長年ふりまわされてました。

今でもまだふりまわされてるところがあります。こんなタイトルの本を読むあたり、まさしくふりまわされてる証拠ですね。

もうちょっと軽い口当たりの言葉を探してるんですが、、、何か良い言葉、ないでしょうか?

『才能』って聞くと、5オクターブの声域がある、とか、100mを5秒で走れる、とか、とんでもなく突き抜けた、余人には真似のできないすごいことができる、って感じがしちゃうんですよね。

そうじゃないんだろうなぁ、って思うんです。

もっと"その人"を特徴づける"何か"、なんだろうなぁ、ってぼんやりと思うんですよね。

 

 

ここで同僚の話を一つ、

私はけっこう大きな企業に勤めています。戦後のどさくさに紛れて的な感じで就職しました。

今は入社が難しいらしいですが、私同様に「どさくさに紛れて」入社した人がそこかしかにいたりします。

私の隣の席に座る40代の男性もまさしく"どさくさ組"で、一緒に仕事をし始めて、かなりビックリしました。

彼が、もし今、この時代に小学生だったら何がしかアルファベットのつく名前の問題を抱えた児童に括られていたに違いないと、間違いない、と確信できるレベルで、落ち着きがないのです。

彼が言うには、小学生のとき、教室には常に黒板の所に彼専用のガムテープが置かれていたそうです。それは教師が彼の両手をグルグル巻きにして手を動かせないようにするため、それだけのためのガムテープだったというのです。

それ、今なら問題でしょ?ってお仕置きですが、もうそうするしかないくらいの生徒だったんでしょう。

その彼は、40歳を超えてなお、異様に落ち着きがないのです。

 

その落ち着きのない動作があまりにうるさくて、イライラした私は彼に「ハエ」というあだ名をつけました。

もちろん本人には言ってません。

 

 

机の上はA4サイズの書類一枚分の作業スペースしかないほど書類の山、載せきれない書類は机の下に押し込むので足を入れるスペースは1mmもなく、さらにそれでも収まりきらない書類は今度は自分専用の社用車に積み込みます。

電話で話してるうちに興奮してきて机の上の書類を雪崩のように崩し、慌てて拾おうとして今度はゴミ箱を蹴り、ゴミを拾おうとして今度は机の下の書類が崩れてくる、、、毎日がそんな感じです。

 

そんな彼は入社時は総務部配属になりました。

もちろん、こんな人間は総務向きではありません。総務部全員が迷惑をこうむったのは容易に想像できます。

なので当然、即、異動です。

今度は営業系の部署に異動になりますが、人事はいったい何を考えていたのか、またもや事務的な仕事がメインの部門に配属になり、そこでも問題しか起こさないくらいの働きをし、また、異動、異動、そして、とうとう"営業マン"として北海道転勤の辞令がおります。

ここで彼は開花します。

あいかわらず「お片づけ」能力レベルはゼロですが、なにせ多動なので毎日すこぶる元気です。社内をあっちこっちと動きまわり、朝から晩まで大声で電話で喋り、北海道という広い大地を車で駆け回り、ぶ~んぶ~んぶ~ん常に飛び回ってます。

先日、彼と二人で話してるとき彼は言いました

 

「入社して今が一番、楽しい。仕事にやりがいがある。もっともっとお客さんと仲良くなってやりたい事がある。ずっとここにいたい」

 

ちょっと感動してしまって、そんな自分にびっくりしました。

ハエなんてあだ名をつけてごめんなさい、とちょっと反省しました。

 

入社して20年、ようやく彼は本当の居場所を見つけたのです。

 

そんな彼は基本的に善人です。

理不尽な言いがかりをつけてくるお客に対して怒ったことは一度もありません。

確認を怠って小ミスを連発する客先に対してぷりぷりする私に、「困ったね」と笑うだけです。

 

彼が人を判断するポイントは、「楽しい人かそうじゃないか」なんです。

他人の能力を彼の基準でジャッジすることはありません。

他人をコントロールしようとすることもありません。

損得で人を判断することもありません。

ただ、「一緒にいて楽しい人と仲良くしたい、つまらない人と一緒に時間を過ごしたくない」を基準に人づきあいをしてるんです。

 

これ、すごくシンプルで大事な誰もが思ってることなんですが、大人になって、会社員になって、そういうことを置き去りにしちゃってる人多いですよね。

40歳過ぎた男性が、それを会社で公言しちゃうのって、実践しちゃうのって、けっこうすごいことだと思うんですよね。

 

彼のことを褒めてしまいましたが、 そうはいっても「ハエ」というあだ名を撤回する気持ちは微塵もありません。

これからも毎日イラついて、血がでるほどにチッと舌打ちしながら付き合っていくと思います。

 

 

と、いうことで、話がじゃっかんそれましたが、「才能」って本当に誰にでもあるんだなぁ、と、彼を見てると思うんです。

事務的なことはからきしダメ、細かい作業は苦手、初対面の人と話すのは得意だけど深い付き合いは息苦しい、だらしないことが嫌い、大勢の人に会うのはしんどい、誰でも「不得意」なことはいっぱいあるけど、その逆に「得意」な事も間違いなく、絶対に、あるはずなんですよね。

 

人って「Aさんって、○△×だよね」とか「Aさんって、○△×な人だよね」っていう言い方をしますよね。

そこにAさんらしさが出てくる気がするんですよね。

 

 

糸井重里さんは

ワクワクすることが見つからない人には、ひとつだけアドバイスがある。「絶対にやりたくないことからは逃げる」と心に決めること。これは逆説でもあって、「絶対に」が付かない程度の、文句を言いながらやれることなら、逃げずにやり遂げろということ。そうしているうちにワクワクが見つかるから。』

と言ってます。

 

 

 

あなたを特徴づける"あなたが得意なこと"は、何なんでしょう?

 

 

私のは、何かなぁ?

 

 

 

 

素敵な日曜日をお過ごしください。

 

では、