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Uni-ya

~うに家~Drop at our house if you happen to come this way.

ホントの自分

 

昔、昔、会社の先輩に村上龍の『トパーズ』を借りて読んだ。

 

トパーズ (角川文庫)

トパーズ (角川文庫)

 

 

この本、読んだことがありますか?

まだ、という方、あなたは幸せです。

一生読まなくていいです。

オススメ度はマイナス100000000000000000000000......。

☆の色を黒く塗れるのであれば(非オススメという意味)ホシ五つです。

 

ページをめくると、そこにあるのは異常な世界。

読んだことを後悔したくなるくらい、気色悪いエピソードがいっぱいです。

 

 

本を返すとき、先輩はニヤニヤしながら「どうだった?」と聞いてきた。

私は正直に、気持ち悪くてどうしようもなく読むのが辛かった。この作家はアタマがどうにかなってるのではなかろうか?と、感想を言ったところ、先輩は

「こういう異常な話が書けるのは、本人が健全だからだよ」

と言った。

当時の私は「さすが先輩は大人だ」と、先輩の洞察に心の底から感心してしまった。

(ちなみにこの先輩は上司と不倫していたことを私は後に知る)

 

健全なまっとうな精神の人だからこそ、異常な世界を冷静に描写できる。

なるほど。

この先輩の示唆にとんだ言葉はその後も私の中でちょいちょい顔をだす。

 

かなり辛辣な批判もするブロガーの方にお会いしたことがある。ビクビクしながら会いに行ったその人は、柔らかな物腰の、丁寧で落ち着いた喋り方をする、愛想の良い、楽しい方だった。

このときも、あぁ先輩、先輩のおっしゃるとおりでした、と思ったものだ。 

 

しかし

 

自分の中にないものは、表に出てこない、と私は最近つくづく思うようになった。

 
自分の中には、いろいろな自分がいて、"普段の私"はその集合体、いわば一人AKBのようなもの。
そして、"そのときその場面で優勢な自分"が、センターを努めているに過ぎない。
 
 
 
だから、いるんですよ、やっぱり。
村上龍の中には変態君が住んでますよ、先輩。
 
私たちの中にだって変なのが、住んでますよ。
 
それを隠す分別があるだけのハナシだと思いますよ。
 
あ、そうか!
自分の変な部分、恥ずかしい部分をひた隠すんじゃなくて、潔く表に出しちゃえるトコが健全なんだ!
偽装せずに、正直に、ありのままを公表する。
 
あぁ、そうかぁ。
 
先輩、あなたはやっぱり正しかったです。
 
 
まさか一周まわって、この結論にたどりつくとは、書き出したときには思ってもみませんでした。
文字にすると思考が整理できていい、って聞きますけど、こういうことだったんですねー。
 
 
*ちなみに、『トパーズ』のことを、さんざん悪く書きましたが、気分が悪くなる話ばかりだったのに、最後まで一気に読みました。これはやっぱり村上龍さんの筆力が高いからだと思います。
 
 
では~ッ