今日は忙しかった。
用事があったので、会社を休み、用事と用事の間をするすると利用して
大好きなカレー屋さんでカレーを食べて、チャイを飲んで、
恩田陸さんの『六月の夜と昼のあわいに』を読んだ。
平日の昼間にお茶をしながら本を読む、これを至福の時といわずしてなんという。
本は、恩田さんらしい語り口。彼女の感性はやっぱり好きだ。
だいたい、「あいだ」とするところを「あわい」にするあたり、う~むと唸ってしまう。やりおるわい、と。
チャイをすすりながら、ときおりスマホを見ながら、本を読んでいたら
小説の中にエピソードとして、安房直子さんの名前がでてきて、「あっ」と思った。
私は、童話とか児童文学にふれる機会がないまま子ども時代を終えたのか、印象に残っている童話、子どもの頃に大好きだったお話、を思い出そうとしても、あまりでてこない。
"あまり"ない、どころじゃない。たった三冊だ。
そのうちの一冊が安房直子さんの『ハンカチの上の花畑』なのだ。
とても不思議なお話で、一回目を読んだときは正直言って好きになれなかった。不気味な印象が強く残った。
のんびりとしたタイトルとはまったく違う、怪しい世界。
しかし、不思議ワールドにどんどん没入していくにつれ、味わう複雑な感情は、読書体験としては、別格だった。
懐かしいな
あの頃は、本の世界にどっぶりと浸れたのにな。
「今」に集中できたのにな。
「この瞬間」が、すべてだったのにな。
このあとの予定のことをアタマの中で組みたてながら本を読み、お茶をすすって、外の雪を見て、スマホをチェック、肩をくるくるまわす。
のんびりしてるんだか、慌しいのか、ワケわかんないね。
会社休んじまったぜひゃっほー♪で始まった一日が、「あの頃」に思いをはせることになった火曜日でした。
いつだって「今が最高!」そう言えたらいい
では☆