先日、母を連れてスーパーに行ったときの話
母が買物をしてる間、私はスーパーの店舗内の隅にある休憩コーナーで本を読んでいた。
部屋でいえば、そう12畳くらいの広さのスペースだ。
英語を勉強している身であるので、英語の児童書を読んでいたのだけれど、もちろんスイスイ読めるわけもなく、ちょいちょい単語の意味を調べるためにスマホ辞書をチェックしながら読んでいた。
(余談だが、今読んでいる"Wonder"、とても、ヒジョーに、素晴らしく良い。
子どもにも大人にもオススメです)
途中、発音記号を見てもピンとこない単語があったので、ゴソゴソとカバンの中からイヤホンを取り出して、つけた。
すると、私の横の方、椅子にして5席くらい向こうに座っていたお婆ちゃんとおばさんの中間あたりの年齢層の女性グループの一人が、私の方に向かってなにごとか喋ったような気がしたが、知り合いでもないので気にせず発音をチェックしていた。
なるほど、ふむふむ、と一人うなづきながら発音を確認、後、また続きを読み始める。
すると、まだ視界の端の方に、one of お婆ちゃんとおばさんの間 women が身を乗り出して、私に向かってなにごとか言ってるのがチラチラとうつる。
気のせいじゃないよね、
私に何か言ってるよね、
私、今、本を読んでるんで、じゃましないで欲しいんですけど?的な、イヤな人モードが全開になりそうな自分を極力隠しつつ、
イヤホンをはずしながら「はい?」と言いたげな顔を向けてみた
すると
「ゴメンねー、私、耳が遠いから、つい声が大きくなっちゃって、うるさくしてゴメンね、ほにゃらかほにゃらか・・・・」
なるほど
私がイヤホンをするのを見たオバチャンは「私のせいだ!」と思ったようだ。
彼女の声がうるさいから私がイヤホンをしたのだ、と思いこんで、一生懸命、あやまろうとしていたのだ。
これは、ひじょうに示唆に富んだ瞬間だった。
私は単に発音をチェックしたかっただけだ。
が、公共の場なので、イヤホンを取り出して聞いた。
私は周りの迷惑になるだろうと思ってイヤホンをつけた。
おばちゃんはそれを見て、おばちゃんが私に迷惑をかけたと思った。
なんでしょう、この思いこみ合戦は。
結果だけ見ると、
私はスマホから音を出して聞いたほうが良かった。どうせオバチャンSは耳が遠いから迷惑にならなかった。
おばちゃんは、そのまま楽しくお喋りを続けていれば良かった。私はそもそも聞いてなかったから迷惑じゃなかった。
ってことになるわけで、
でもって、こういうことは、日常、たーーーくさーーーん起こってるんだろうな、と。
迷惑をかけるだろう、という思いこみ、
迷惑をかけたのかも、という勘繰り
他者を思いやっての行為なんですが、少々息苦しくてめんどくさいですね。
この事件の後、たまにスカイプで話したり、LINEのやりとりをしているアメリカ人からLINEが入った。
私が「この記事オモシロイ」と送ったLINEに対する返信だったのだが、何を言ってるのかイマイチ、というか、まったく分からない。けど、なんだか不穏な空気を私は感じとった。
あれ?もしかして、私が送った記事に対して、イヤな気分になっちゃった?あれ?もしやムっとしてる?あれあれ?
うろたえる私。
しかし、私はおばちゃんSとの事件で学んだばかりである。
こういうときは、聞けばいいのである。
「私、もしかしてあなたの気分を害しましたか?」
日本人のお家芸、秘儀「察する」を卒業するぞ、とフリースを着ながら決意する6月。
(信じられませんが、6月だというのに10度を下回っています)
では!